化粧まわしを簡略化したもの
現代の相撲は、1月に初場所(東京)が開催されてから3月には春場所(大阪)、
以降5月には夏場所(東京)・7月には名古屋場所(名古屋)、秋場所が9月(東京)、
そして九州場所が11月(福岡)といった具合に年6回開催されています。
相撲は国技館などの会場に出向いて観戦するのが良いけれども、テレビ中継でも
十分楽しめる相撲を見ているとなぜか興奮する人も多いのではないでしょうか。
大相撲の取り組みを見ていると、力士はまわしの前側にのれんなど
紐状のものが数本下がっているものを装着しているなど知ることができます。
これはのれんのように見せるけれども、相撲のまわしについている「下がり」と呼ばれるものです。
この下がりと呼ぶものは、横綱だけでなく序の口の力士、全ての力士がまわしに付けるなどの
特徴があるのですが、のれんのような紐状の下がりは単なる飾りではなく、十両以上の力士が
土俵入りをするときに装着する化粧まわしを簡略化したものといわれています。
相撲のまわしについている「下がり」には、このような意味合いがあるわけですが
その理由などを知ることで大相撲を見るときにはためになっている、このように感じることができます。
のれんのようにも見える化粧まわし
従来の大相撲は、土俵入りしたときに装着している化粧まわしはそのままの状態で
取組が行われていたといいます。古くから大相撲をテレビ中継などで見ている人などは、
のれんような下がりを付けている姿を目にするのは弓取り式のときだけ、
このようなイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
化粧まわしが紐状に変化した理由、これはとても簡単な理由になっていて
相撲の取り組みを行うときに邪魔になってしまうからです。
下がりはとても大きな化粧まわしになるわけですから、このようなものを装着したままで
相撲をとろうとすると相手にまわしを取り投げるなどの動作で邪魔になる、
邪魔になることでケガなどのリスクにも繋がるわけです。
江戸時代の中期ころになると、相撲のときには化粧まわしの前に垂らす前垂れと呼ぶ部分が
なくなっている現代風のまわしを取り付けて土俵に上がるようになったといわれているので、
下がりをつけて相撲を行っていたのは江戸中期よりも前の話です。
そのため、古くからテレビ中継を見ていてもまわしをつけたままで
取組を行っているシーンを目にしていないのはそのためです。
なお、化粧まわしの前垂れの下側にありフリンジ状の装飾は簡略した形で残されているようです。