引き継ぎたい伝統工芸
多くの方が存在を認知している「のれん」ですが、その歴史は鎌倉時代にまで遡ります。
ここで簡単に、起源について解説をしていきましょう。
このアイテムは日本固有のもので、1190年頃に誕生しました。
当時は武家社会となっており、武士たちは自身の館を有して暮らしていました。
その館の入り口に取り付けられたのが「のれん」で、今のような
商業施設の入り口に設置をするというものではありません。
平たく言えば表札と門扉の役目を持っており、必ず家紋を描いていたものです。
古くは京都の西陣地域で作られてきた伝統工芸品で、現在でも市内に計20の工房が存在しています。
職人による手作りの商品は非常に耐久性があり、高価な品物として認知もなされています。
しかし、近代では外国で安価に制作をなされているポリエステル製が大半を占め、
レガシーを守ることが重んじられるようになりました。
日本古来からある固有の商品と文化を守るために、研究学会も立ち上がったほどです。
以前は個人宅に備えようという方は少ない傾向でしたが、今ではのれんは
インテリアでも活用できると普及運動も進んでいて、しっかりと未来に受け継ぐようになりました。
オリジナル製品も数多く誕生
のれんの文化をこれからも絶やすことなく、未来へと受け継ぐことが重要視されています。
職人たちも自身のレガシーを守る運動に力を入れており、伝統技術を
さらに進化させるスタイルで活用しているほどです。
インテリア雑誌などに目を通すと、今までの和風なのれんとは一線を画した商品を目にすることができます。
麻やシルク生地など、綿以外の素材で作られたものがあり、
さらに入り口だけではなく窓などに取り付けて使用するものもあるほどです。
これらは欧風のインテリアにも見えますが、実際にはのれんという名称で販売されているものです。
著名な伝統的工芸文化をラフなアイテムへと転換させており、
これが若い世代に支持されるようになっています。
未来に伝えるためには、古いままではなく新しいこだわりを有することも大切といえるでしょう。
のれんの場合はその改良をしやすいという特徴もあり、現在では欧州地域へも輸出をされるまでに至りました。
室内用のものであれば、高級な品物をチョイスしても劣化をしにくく、
お部屋を自分好みに彩りたいという欲求を満たすことも可能です。
今後も幅広い活用方法を見出して、後世にしっかりと受け継がれることでしょう。